EnB 04号 目次
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電力のコストとは?

■TOPICS
プラント建設を変えるデータHO ISO 18101標準化が進行

米WH、中印市場で合計18基の原発プラント受注に期待

2014年プラント受注2.8倍に―産機工統計

■GLOBAL Buslness
・上流サービス企業・事業で、人員削減の動き
・GE・Siemens両案件ともEUが精査
・中国原発事業再編へ

■REPORT
受注は堅調もリスク要因高まる―プラント業界第3四半期決算状況

■Projects News
…INPEXのAbadhi FLNG、計画変更へ
…AlZour製油所、現代建設が一番札
…オマーン、新規IPP事業者を募集
…オマーンLiwaプラスチックでPQ完了
…クウェート、2件のIWPPでPQ参加者募集
…GASCOとADGAS、IGD-Eプロジェクトを発注
…アラスカLNG、環境・社会経済レポートをFERCに提出
…AMEC、中国で石炭化学プラント受注
…Applied LNG、プラント建設開始
…Atkins、Mirfa IWPPのエンジ業務受注
…中国輸銀、タイの鉄道計画2件に融資を提案
…BASFとPetronas、2-EH酸プラント建設へ
…BASF、米GeismarでBDO増産へ
…Abu Qir、12億ドルで新規肥料プラント建設へ
…B&V、サウジ海淡プラントでコンサル業務
…中国唐山でグラスルーツ製油所計画
…現代エンジ、Kyandymガス処理プラント受注
…エジプトで68億ドル石化・肥料コンプレックス
…Formosa、新規PEプラントを計画
…Huntsman、ポリエーテルアミン増強
…Live Oak LNG、Lake CharlesでLNGを計画
…米TPC、PIBプラントでFEED実施へ
…現代建設、サウジアラビアで送電線建設受注
…住友商事、マレーシアでアルミ精錬PJ参画

■NEWS Flash
・三菱重工等、カタールで地下鉄システム受注へ
・TOYO等、タイSPP向けコジェネ設備12件を正式受注
・NSENGI、フィリピンで廃棄物利用発電調査事業
・日立製作等、ポーランドでスマートグリッド実証へ
・JFEエンジ、ごみ発電とEVで循環型収集システム
・INCHEM TOKYO 2015、11月に開催へ
…ササクラ等、トリスウム分離技術試験を受託
…日立製作等、ベトナムの下水処理拡張工事受注
…MHPS、フィリピン地熱リハビリ工事受注
…大陽日酸、北米でオンサイト事業受注
…鹿島、シンガポールの伝染病センター建設を受注
…NSENGI、堺市で大型物流施設の建設工事
…JFEエンジ、南相馬で災害廃棄物の処理
…東芝など、ケニア最大の地熱発電を完工
…ユーグレナ、バイオ燃料でLummus技術導入

■Procurement
・アズビル、バルブポジショナーでTIIS認証取得
・日立G、メガソーラー向けO&Mサービス強化
・横河電機、Ciscoと協業しサイバーセキュリティ管理

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル

■エンジニアリングダイジェスト

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EnB 04号 表紙

 

EYE
●電力のコストとは?

 総合資源エネルギー調査会発電コスト検証ワーキンググループの審議が始まった。注目されるのが原子力および再生可能エネルギーのコストをどう評価するか、という点だ。
 電源別にコストを算定する場合に、純粋に建設費+運転費をライフサイクルの発電量で割りだす(狭義のコスト)という考えもあるが、それは基本的に電力会社のやることであって、わざわざ国の審議会でやる必要はない。そこに社会的費用をどう組み込んで、如何に国民負担を示すことが出来るかという所が重要だ。その観点からすれば、日本のエネルギー業界史上最悪のシビアアクシデントを起した原子力発電所のコストと、導入促進のためにIRRを政策的に保証している再生可能エネルギーの評価が問題となる。さらに、CO2対策や技術開発などの費用も上乗せする必要がある。
 CO2対策費用をより重要視するべきだという見方もあり、OECDでの発電コスト検証では電力会社の費用負担(狭義のコスト)にCO2対策費を加えているが、他の社会的費用については別途評価対象とするという。その理由は明確にはされておらず、あまり納得できない話だ。
 原子力については、前回の議論で事故時の損害費用を5.6兆円としたが、これは現在の視点からは過小評価となるだろう。福島の現状回復に数十年が必要なので、失われた経済損失と賠償でその程度の金額とは考えられない。シビアアクシデントの損害費用は原発だけに限定された項目なので、過小評価は許されない。
 再生可能エネルギーは確かに導入コストが嵩む電源であり、送電線の敷設や系統安定化のためのコストも必要だ。ただ、系統線を敷設する必要があるのは別に再エネだけではない点には注目する必要がある。また目標が2030年ということであれば、送電事業は分離されているので、送電網は大規模化しており、系統安定化費用はその分低下することも考えられる。そうした評価をどう扱うか、ということにも注目したい。

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EDITORAL
●編集後記

○…これまで、アラブを舞台にした映画を何度か観ているが印象に残った映画が数本ある。そのうちの1本は「アラビアのロレンス」。もう一つに三十年くらい前に観た映画で、今も強烈な印象が残っている映画がある。舞台はシリアの砂漠。フランス人の医師(クルト・ユルゲス)とアラブ人(フォルコ・ルリ)が主人公の映画「眼には眼を」である。この映画のラストシーンが未だに忘れられない。アラブ人主人公の底知れぬ恨みの深さに打ちのめされてしまった。観た当時、何とも後味の悪い映画だと思ったことを記憶している。
 「目には目で、歯には歯で」という格言は、ハンムラビ法典にあるとされ、旧約聖書出エジプト記にも同様の記述があり、新約聖書にもあるらしい。しかし、今ではイスラム社会の掟を象徴する言葉となっている。イスラム社会では、一旦不法行為がなされると、それに対する報復が必然化する。報復がまた新たな報復を次々と呼び寄せる。際限のない連鎖が始まるのだ。現在の混乱は、古くはサイクス・ピコ協定、さらにはパレスチナ分割決議に始まる一連の出来事などが報復の連鎖を引き起こしたとも思える。
 しかし、この条文の目的は「無限な報復を禁じて同害報復までに限度を設定することである」らしい。報復の連鎖は何ものをも生み出さなことは分っている筈だが…。

○…イスラムと称し、国を名乗るテロリスト犯罪集団を何と呼ぶべきか、彼ら自身の名乗りを使う限り、呼ぶべき名称がないがアラビア語略称ダーイシュなら日本や欧米ではまずまずだろうか。ダーイシュやアルカイダというテロリストの知ろうとして最近日本ではイスラム本がいくつか出版されている。例えばイスラム戦争、文化共生論の専門家の内藤氏著というものがある。
 この本の題名・内容の紹介を見て、これはイスラムを論じたもので、世界を震撼させているダーイシュに迫るものではない。内藤氏は日本や欧米の属する民主主義制度では主権在民だが、イスラム世界では主権在神だといっているそうだ。歴史的には欧米キリスト教世界が主権在神から在民を確立したのは事実だが、現在ではイスラム世界の民衆も民主主義を希求している。内藤氏のような言い分は、イスラム異質論を喚起するものになる。いまはイスラム専門家の出番でなく、ダーイシュやアルカイダなどテロリストに切り込んだ論説が必要だ。
 JBpressというビジネスマン向けのフリーオンライン誌がある。このなかで松本大氏がイスラム過激主義について論じており、2月6日号で「ダーイシュ弱点を突いて解体せよ」と論じている。イデオロギーとの戦いであり、イデオロギーと戦略を剥ぎ取る必要があると述べている。

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