EnB ○○号 目次
詳細 のマークがついているものは記事の内容がご覧になれます。

 

■EYE
政府が邪魔する復興プロジェクト詳細へ

■REPORT
変貌するエネルギー・サービス事業詳細へ

騒々しくなったわが国のパイプライン関連活動
エネルギー・ジャーナリスト:今地 久章

■OPINION
何が違う?日米の公的技術者資格制度-PEと技術士-
長健治氏

■TOPICS
世界の原子力出力、過去最高に詳細へ

ロシアから見た東シベリア原油パイプライン詳細へ

■GLOBAL Business
・GE、2005年以降再び2桁成長をめざす詳細へ
・イラク復興プロジェクト、治安悪化で停止状態に
・Business News
mg、Dynamit Nobelの4事業の売却決定
Linde、冷凍ビジネスをCarrierに売却
GE・Bechtel、インドDhapolのEnron株を買収

■NEWS FLASH
・イラク・ハルサ火力復旧で貿易保険引受け詳細へ
・日立造船、造水プラント技術をフルサポート
・カタール、日本海洋掘削と掘削合弁企業設立
・三菱重工、国内最大の風力プロジェクト受注
・日鉄ハード、CSCに溶射技術を供与
・Fesco、排水処理ESCO事業に参入へ
・DME普及体制が一本化
・荏原、家庭用燃料電池コージェネシステムの準商用機
・山武、中国・上海に制御機器販売の現地法人設立
・新日本石油、八戸にLNG基地
・JBIC、メキシコとCDMで業務協力
・川重、ペットリサイクル溶融重合設備を納入
・Project News詳細へ

■Asia Business Report
「大中国青島港湾開発プロ」外伝
商社にとって物流とは何かZ
加藤 隆

■海外・国内主要プロジェクトの動向

■データ・ファイル


■エンジニアリング・ダイジェスト

■EDITORIAL 詳細へ

EnB ○○号 表紙

 

ここに代替テキストを入れて下さい
政府が邪魔する復興プロジェクト
 イラクにおける日本人人質事件で外務省をはじめ政府関係者が口を揃えて「自己責任」という言葉を口にした。しかしこの「自己責任」という言葉には、政府の責任逃れが感じられる。
退避勧告が出されていても、当該国への入国を禁止することは政府にはできない。「個人の主権の侵害」となるからだ。それでも当該国入りする人は基本的にいつでも「自己責任」原則のもとに入国しているだろう。そして、それでも個人で解決することのできない事態が発生した場合、政府には保護義務がある。
とはいえ、日本の主権の及ばない地域で政府ができることには限界がある。今回の人質事件でも日本政府は基本的に何もできなかったように見える。何もできないからこその「自己責任」論なのだろう。
NGO活動にしろ、報道にしろ、そしてビジネスにしろ、危険な地域であってもそこに意義を見出せば人は入っていく。危険というリスクを背負っているのだ。リスクを負わなかった人達が外野であれこれ言っても始まらない。
米国によるイラク復興プロジェクトは、メインコントラクターは米国企業にほぼ限定されているが、下請け企業には国籍の制限がない。実際、様々な国籍の会社が下請けあるいは孫請けで仕事を取っている。ところが、そこに日本企業は全く入っていない。退避勧告により、日本企業がイラクに入っていけないからではないだろうか。
既に、イラクでは、Washington Group Internationalの孫請けでイラク入りしたエンジニアが殺されている。世界にはリスクを取ってイラク入りする会社がある。無論、現在の状況でイラク入りできる企業がどれだけ日本にいるかは分からない。しかし、イラク入りできないことで日本が受注チャンスを逃しているのは間違いない。要するに、外務省の退避勧告が日本の受注機会を邪魔しているのではないだろうか。
日本は今、無償資金協力の形で復興支援を開始した。しかし、それもイラクに入らない形で業務を行うことになっている。状況を見極めてできるだけ早期に退避勧告が解除される必要がある。
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
変貌するエネルギー・サービス事業
 顧客の施設や設備を対象に、省エネ対策を実施し削減されたエネルギーコストの一部で初期投資を賄うエネルギー・サービス・カンパニー(ESCO)。米国などで誕生したこの新たなビジネスが日本に導入されて既に7年。近年はESCO間の競争も激しくなりつつあり、単に「省エネ」するだけでは事業展開にも限界が見えつつある。そのため、ESCO事業に更なる付加価値を与えようとする動きが出てきた。
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
世界の原子力出力、過去最高に
アジアが世界の原子力開発をリード
日本原子力産業会議がまとめた、世界の原子力発電開発の動向によると、2003年末時点で世界で運転中の原子力発電所は434基、総出力3億7,628万6,000kW。基数では前年を2基下回ったものの、総出力ではこれまで最大であった2002年の記録を上回り、過去最高記録となった。
最新号目次へ

 

ロシアから見た東シベリア原油パイプライン
大きく転換したロシアの石油政策
シベリアのエネルギー資源を開発、東北アジアに供給する構想が具体的に動き出したのはロシアの誕生した1990年代初頭であった。日本が1990年代の不況のなかで、動きが鈍かったのに対し、1998年にエリチン・江沢民首脳会談で合意と中国が先行する形で、原油・天然ガスパイプライン(PL)建設計画が進められた。日本が具体的に計画に参入したのは2003年1月の小泉首相の訪ロからはじまる。ナホトカルートと大慶ルートどちらを優先するか、日中ロ三国で激しい綱引きが展開されてきたが、昨年4月末にはロシア政府が原油PLの大慶ルート優先決定と伝えられ、中国有利で決着がついたかに見えた。しかし7月以降プロジェクトを推進するロシアの民間石油大手Yukosに対するプーチン政権の摘発がはじまり、10月に社長のホドルコフスキー氏が逮捕され、首相も大統領選を前に交代、大慶ルートに暗雲がこめ、ロシアに有利なナホトカルートの可能性がでてきた。
Yukos摘発の背後にあるロシアの政治経済情勢と東シベリア原油PLについて、アジアクラブの春季セミナーがエネルギー経済研究所の十市常務理事とジャーナリスト畔蒜氏を講師として実施された。
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
GE、2005年以降再び2桁成長をめざす
 GEの2004年第1四半期(1Q)の業績が発表された。受注は前年比20%増、11事業部門中9事業の利益が2桁増となった。売上高は10%増、為替調整・合併の影響を除くと5−6%増。低迷した2事業のうち保険事業は分社上場し、エネルギー事業は2005年以降の上昇が期待できる。マテリアル事業は原料高にうまく対処した。輸送・航空エンジン・医療などの長期景気サイクル分野も好転した。Boeingの新機種7E7へのエンジン供給=600億ドル以上、10年以上の契約に成功した。95億ドルの英国の診断薬企業Amershamとの合併が完了した。33億ドルのVivendi Universalの米国事業買収がFTCの認可を得た。GEにとっての朗報が続いた。2005年以降の利益の2桁成長復帰が期待できる成果だ。
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
イラク・ハルサ火力復旧で貿易保険引受け
独立行政法人日本貿易保険(NEXI)は、イラク・ハルサ火力発電所復旧プロジェクトで、貿易保険を引き受けた。NEXIは昨年5月の戦争終結後にイラク向け短期貿易保険を一部再開していたが、今回がその第1号案件となった。
最新号目次へ

 

Project News
・BASF他、上海にポリウレタン中間原料コンプレックス
・大慶石化、第2PPプラントを計画
・ExxonMobil、マレーシアにプラットフォーム
・Petrokimia、硫酸/塩酸ユニット建設へ
・印DabholプロジェクトをBechtelとGEが引き受けへ
・印Riliance、Hazilaに高純度PTA
・ONGC、ガスプロセッシングを改良
・Yanbu石化PJでコンサル入札
・Sabic、墨フェニックスプロジェクトへの参加を検討
・Lummus、メキシコのEB-SMプラント受注
・枚方市、清掃工場を発注へ
最新号目次へ

 

ここに代替テキストを入れて下さい
編集後記

○…ダイムラーが経営再建中の三菱自動車への増資に応じず、金融支援も行わないことが明らかとなった。ダイムラーはトラック部門の経営権をすでに握っており、筆頭株主として三菱自動車の再建にどっぷり浸かっていたにもかかわらず、最高意思決定機関である監査役会が拒否したものだ。これはダイムラー自体が三菱自動車を支援する余裕がないことを意味している。現代自動車との提携も解消の方向という。低迷するクライスラーをどうするのか、そしてダイムラー自体が世界の自動車業界のなかでの生き残り戦略の再検討をせまられている。ダイムラー・クライスラー・三菱という弱者連合の崩壊の一歩とみられよう。
三菱自動車のクレーム隠しリコールさぼりが発覚したのは2,000年の6月のことだ。隠蔽工作は書類の残っている77年から恒常的に行われて来たという。経営陣は社外にはこうしたことを改めることを約束したが実際にはそれ以降もユーザー側からのクレームを拒否してきたと指摘されている。2002年1月三菱ふそうトラックのタイヤ脱落死亡事故を起こしても整備不良と言い逃れ、責任を認め届け出たのは2004年3月だ。このような企業への出資に対するダイムラー株主の反発も撤退の要因の一つかも知れない。これほど、ブランドイメージの崩落した企業の再建は容易ではなかろう。
○…最近、消防関係者の話を聞く機会を得た。時々目にするオフィスでの防火訓練。みんな何やら気恥ずかしげにやっている。大体、防災訓練、消火訓練で火の出ていないところに向けて形だけの消火器操作に真剣になれないだろう。ぞろぞろ並んでの避難訓練も遊び気分は免れない。「小学生じゃあるまいし」という声が聞こえてきそうだ。
ところが、関係者の話によると「実際火事が起こった場合、消火訓練、避難訓練をやった人とそうでない人の差は歴然としている」という。火災の場合、初期消火が有効なのはほんの数分。訓練経験のない人は、頭でわかっていても実際の火災では全く何もできないという。消火どころか、避難さえ覚束ない。咄嗟の場合、体はいつも使っているエレベータに乗り込むらしい。これが大惨事に結びつく。
最近読んだ文章で、武道の達人の言葉があった。「お手本となる型を良く見て、正しい技の心像を自分の中で反復することが重要だ」。これが武道の心得だという。本物の正しい型、技術を身につけることが最も重要らしい。
「型」、「形式」と馬鹿にしていたが、どうもそうではないらしい。昨年あった一連の大企業の工場火災・事故。「型」を重要視していなかったことはないだろうか?

最新号目次へ

Copyright (C) 2002 ENGINEERING JOURNAL CO,.LTD. All Rights Reserved.