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トリニダッドのLNG増設、Phillips技術を採用
Bechtel、第1トレインに引き続き建設



 トリニダッドトバゴのLNGプラント増設のプロセスがPhillips Petroleumのカスケード法に決まった。トリニダッドのLNGプラントは1999年に操業を開始した年産300万トン、カスケード法による第1トレインがある。イギリスの国際ガス資本BG、メジャーオイルBP、スペインの独占ガス企業Enagasの子会社Repsolを主要株主とするAtlantic LNGが運営する。増設計画は2002年完成予定の第2トレイン、2003年完成予定の第3トレイン、各年産330万トン、10億ドル規模のプロジェクトで、3月に政府の認可済みであったが、このほど、主要株主3社がプロセスを決定した。設計・建設は第1トレインと同様、Bechtelとなる。
 このカスケードプロセスはプロパン・エチレン・メタンを段階的に冷却し、圧縮天然ガスを液化する。Bechtelはこのプロセスが大型LNGプラントをほぼ独占するAir ProductsのAPCI法に比べて、建設・操業両面でコスト安・時間短縮となるとして、1996年にPhillipsとアライアンスを締結、共同で世界のLNG市場で展開を図ることとし、その第1歩としてこの第1トレインでこのプロセスを採用させた。実績はAlaskaの中規模プラントしかなかったので、大型プロジェクトでの最初の実績となったが、目標としたコストダウン・工費短縮に成功したという。増設プロジェクトへの採用は第2の実績となるが、最近は中東・東南アジアでのLNG案件でAPCI法に対抗するプロセスとしてFEED段階で検討されるケースもでてきている。Bechtelは有望プロセスを囲い込み、戦略的に技術志向を図っているが、カスケード法LNGはBechtelの有力保有技術の一つとなっている。